Study/Particular field研究・専門分野について

救急・外傷班Orthopedic Trauma Team

Staff

  • 准教授・四肢外傷センター部長

    善家 雄吉Yukichi Zenke, M.D., Ph.D.

    専門分野:外傷、手外科、マイクロサージャリー、難治性骨軟部感染、労働災害

  • 助教・外来医長

    安藤 恒平Kohei Ando, M.D.

    専門分野:外傷、外科全般

  • 助教

    岡田 祥明Yasuaki Okada, M.D.,Ph.D.

    専門分野:外傷

  • 助教・病棟医長・四肢外傷センター副部長

    濱田 大志Daishi Hamada, M.D.

    専門分野:外傷、マイクロサージャリー、手外科

  • 助教

    佐藤 直人Naohito Sato, M.D.

    専門分野:外傷、マイクロサージャリー、手外科

      
  • 助教

    篠原 大地Daichi Shinohara, M.D.

    専門分野:外傷、手外科、マイクロサージャリー

救急・外傷班の特色

当大学では、それまで救急・集中治療部で行っていた整形外傷治療を、整形外科の中の一つの診療班として、2012年4月より再編し、新たにスタート致しました。

現在、全国的に外傷センターの名を冠する病院が増加しております。preventable trauma death(防ぎ得た外傷死)の根絶を目指し活動を始めた10数年前に比べれば、近年の外傷分野での貢献は確実なものである一方で、preventable trauma disability(防ぎ得た外傷機能障害)に関しては、いまだ十分に改善されているとは言い難い状況と言えます。 外傷部門を独立した診療班として活動している大学は、まだ全国的に多いとは言えない状況ですが、整形外傷が整形外科の中の一つの重要なsubspecialityとなるためにpreventable trauma disabilityを回避するために、日常診療のみならず学術活動含めて日々努力しているところです。 また、2016年4月より、整形外傷班と救急部整形チームを統合する組織として、四肢外傷センターが設立されました。2020年4月より、救急医学講座にチームを移籍しスタッフ数を増やし、2022年現在、スタッフ数6名+整形外科からのローテーター1名+α(研修医など)で活動を行っています。

代表的な治療

切断四肢症例

再接着術(1)


60代女性 手指完全切断(鋭利)
(示指:ZoneⅡ, 中指:ZoneⅢ)

 
 

再接着術(2)


40代女性 小指完全切断(引き抜き)
ZoneⅡ(no man’s land)

術後2年 自動屈曲可能
 
 

再接着術(3)


40代女性 上腕中央での完全切断
同日緊急で再接着術施行

有茎広背筋皮弁による肘屈曲再建後
術後4年で2kgの重錘を付けて肘関節自動屈曲が可能

 
 
 

皮弁形成術

60代男性 電ノコで受傷  
左中指・環指 Subzone Ⅱ

 

 

手指延長術

60代男性 工場内で機械に巻き込まれ受傷
 
 
 

軟部組織再建症例

50代男性 バイク事故による下腿開放骨折
Gustilo分類 type3C
 
 

Micro&Reconstructive Surgery

  • 動脈吻合による血行再建(Emergency)
  • 骨折に対する創外固定とその後の内固定:Fix (Day3)
  • 軟部組織欠損に対する遊離皮弁による骨折部の被覆:Flap (Day7)
 
 
 

下肢外傷(イリザロフ)

60代男性 転落受傷 
43C3.1  Pilon fracture
 
 
 

リング型創外固定(MATILDA法) 早期荷重

 
 
 

骨盤外傷

 
  
 

Modified sttoppa approach +1st window

Screw fixationを併用した寛骨臼骨折観血的手術
 

 
 

低侵襲手術・Spinopelvic fixation


 
 

脆弱性骨盤骨折

 

 

低侵襲手術

  • 高齢者の早期除痛・離床が可能
  • 脆弱な軟部組織でも早期手術が可能
 
 
 

手術件数

図1  救急部・手外科・外傷手術件数(2011-21)

2021年の整形外科手術総数(救急科含む)が1306例で年々増加してきておりますが、四肢外傷センター(手外科症例含む)では合わせて762例の手術を行いました。2011年からの手術件数の推移を示します(図1)。ここ数年は急激な増加はありませんが、全体的には右肩上がりの手術症例数です。
2015年度より、整形外科から救急部への医師派遣が3~4名体制となり、外傷初期診療から手術、リハビリテーションまでを一貫して独自に行える体制を整備してきました。また、外傷班と手外科班は密に連携し合いながら診療を行っており、手外科班の協力のもと、外傷のみならず上肢・手外科疾患の手術にも積極的に取り組んでいます。
診療内容としては、ほぼ全ての外傷疾患を網羅した「産業医科大学病院四肢外傷センター治療マニュアル」を作成し、標準的な治療を心がけ、高い医療水準を維持出来るように日夜努力を重ねております。当大学は、労働災害予防の研究拠点病院でもあるため、労災事故による外傷症例は基本的に断らず受け入れており、中でも手指切断症例に対する再接着、皮弁形成術、骨延長術など適応を吟味しながら、専門性の高い治療を提供しております。また近年は、高エネルギー外傷である多発外傷や骨盤骨折症例が増加しております。加えて、高齢者の脆弱性骨折症例に関しては、早期手術を実施することで早い社会復帰が実現できるような多職種連携の体制を構築すべく活動中です。また、局所陰圧閉鎖療法(NPWT)を用いた創傷治療や、治療に難渋する骨軟部組織感染症に対する持続局所抗菌薬持続灌流(CLAP)療法は本邦有数の実績を誇っています。あるいは軟部組織欠損に対するマイクロサージャリー技術を駆使した皮弁形成術など、骨・関節の難治性疾患のみならず、軟部組織再建にも積極的に取り組んでいます。今後は、四肢外傷センターとして症例の集約化、初期治療から機能再建までを担える組織として活動の幅を広げていきます。

業績

  • 小杉 健二, 解剖用献体とX線透視像を用いた後骨間神経の走行位置の検討 A pilot study、骨折、2021 43(3):517-520
  • 佐藤直人、小児大腿骨近位骨幹端骨折術後に回旋変形を生じた1例、骨折 2020
  • 岡田祥明、Teepee viewにおける外側大腿皮神経の走行位置の検討 解剖献体とX線透視を用いた神経走行の可視化、骨折 2020
  • 佐藤直人、骨・軟部組織感染症に対するiMAP・iSAPの有用性、骨折 2019
  • 宮良俊、大腿骨難治性骨折に対する生体内吸収性プレートの使用経験、骨折 2019
  • 岩元俊樹、術前計画に3D実体模型が有用であった肩甲骨体部+頸部骨折(Ideberg分類type Va)の1例、骨折、2018
  • 徳田昂太郎、脛骨骨幹部偽関節に対するReamer Irrigator Aspirator(RIA)systemの治療経験、整形外科と災害外科、2017
  • 岩元俊樹、四肢すべてに波及した重傷軟部組織感染症の1例、整形外科と災害外科、2017