診療案内 同門会の先生方へ
 
  ■ About Us 診療科の特徴
   産業医科大学創立35周年となり、整形外科同門会員数は250名を超え、大学病院と約50関連病院(うち労災病院13)および開業診療所と密に連携をとり、 運動器・運動機能に関わる全ての疾患を対象に北九州を中心として精力的に地域医療に専心しています。研究活動においても、臨床研究だけでなく、最先端の基礎研究を国内外に発表しています。
 このような大学病院と関連医療施設ネットワークの中で後期研修をうけることにより、一般外傷、変形性関節症、脊椎・脊髄病、手の疾患、スポーツ疾患、代謝性疾患、先天性疾患、骨軟部腫瘍などの広範な疾患領域の診断と治療実践技術を漏れなく体得することができ、患者様のニーズに応えるため的確な医療を提供できる整形外科医になることができます。
 
  ■ 当診療科での修練のメリット
   北九州を中心とした地域の病院に関連病院を数多く有し、病診連携などを行い地域医療に貢献しています。北九州市出身で地元に就職したい方には最適なチョイスと思います。また全国各地(北海道、東北地方、関東地方、近畿地方、四国・中国地方)に手術症例の多い関連病院(主に労災病院)が数多くあり、北九州市周辺ばかりでなく全国各地で他大学出身のドクターと交流をもちながら、学閥を超えた幅広い修練が可能です。
 さらに、Jリーグ(大分トリニータ、ギラヴァンツ北九州)やラグビートップリーグ、バスケットボールBJリーグを含むプロスポーツチームから社会人野球や大学、高校生のチームに、チームドクターを派遣しており、スポーツ現場でトレーナーと連携をとりながら、実践医療を修得することができます。
 
  ■ 専門医取得状況
 
日本整形外科学会認定整形外科専門医 日本整形外科学会認定スポーツ医
日本整形外科学会認定脊髄脊椎病医 日本整形外科学会認定リウマチ医
日本手外科学会専門医 リウマチ学会指導医
日本リウマチ学会専門医 日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医
日本体育協会公認スポーツドクター 労働衛生コンサルタント
JATECインストラクター インフェクションコントロールドクター
 
  ■ 研究活動
   基礎研究では骨細胞生物学を中心に行っており、特に荷重と非荷重における骨代謝動態解析は世界的に高い評価を得ています。他の研究施設との共同研究も数多く行っています。また再生医療の実現を目標とした幹細胞研究、発生生物学的研究にも力を注いでいます。欧文ではこの10年で121報、学位取得者は30人輩出しています。
 近年は勤労者を対象にした職業性疾患に対する臨床研究、臨床疫学的研究にも取り組んでいます。
 
  ■ 女性にやさしい医局を目指しています
   
 

手外科・上肢外科
 
 「手外科」とは、主に上肢の外傷(骨折や関節脱臼、腱・神経・血管損傷など)や運動器疾患に対する機能再建外科のことです。「手外科」は単に手術治療だけでなく、作業療法士やハンドセラピストと協力して動く手、使える手を取り戻すための専門的なリハビリテーションを包括しています。
 手は小さな容積の中に腱・神経・血管など実に多くの組織が詰まっています。これらの組織一つ一つが重要な役割を担っているという解剖学的な特殊性を有しています。手外科では、それぞれの組織を解剖学的に再建することに加えて、これらの運動の調和を考えながら手術・リハビリテーションを行う必要があり、緻密な計画性や繊細な手術手技が要求されます。
 当院の手外科グループは、上肢の外傷・運動器疾患全般に関する診断・治療のエキスパートである日本手外科学会認定手外科専門医から構成されています。マイクロサージャリーの技術を用いた切断指再接着、手指骨・手根骨の骨折や橈骨遠位端骨折、腱損傷、神経・血管損傷などに対する外傷治療に加え、キーンベック病などの手根骨壊死、母指CM関節症などの変形性関節症、肘部管症候群や手根管症候群などの絞扼性末梢神経障害、腱鞘炎、デュピュイトラン拘縮、先天性疾患、骨軟部腫瘍など幅広い手術を行なっています。外傷グループと連携して年間約500例以上の上肢手術を行っています。
 
■ 主な治療概要
〈橈骨遠位端骨折〉
  掌側ロッキングプレートを用いて骨接合術を行い、早期の社会復帰を目指します。手関節内に及ぶ転位した骨折や手関節軟部組織損傷が疑われる症例には手関節鏡を用いて関節内組織の詳細な評価を行い、治療に役立てています。
〈手指・前腕・肘の骨折〉
  これらの骨折に対しても、積極的にプレートやスクリューを用いて内固定し、術後早期からリハビリテーションを行い、早期の社会復帰を目指します。特に手指骨折や橈骨頭骨折、尺骨頭骨折に対しては、生体内吸収性プレートを各症例に応じて適切なサイズ・形態に採型し使用しています。これは将来的に骨に置換されていく材質であり、手術後の抜去が不要で現在注目を集めています。当科では世界に先駆けて基礎研究から臨床応用までを行なっています。
〈手根管症候群〉
  日常で最も多くみられる絞扼性神経障害です。神経伝導検査等を行い適切な治療を提供しています。また、本疾患の病態解明を目的に、遺伝子レベルでの解析による基礎研究を行っています。
〈デュピュイトレン拘縮〉
   手掌腱膜が肥厚収縮し手指の屈曲拘縮を起こす疾患です。40歳以降の男性に発症することが多く、原因は不明です。当科では、開学当初から一貫して、病的手掌腱膜切除(厚く肥厚した病的手掌腱膜を丁寧に切除)及び創開放療法により良好な治療成績をあげてきました。2015年から、コラゲナーゼ注射を用いた酵素溶解療法を開始し、治療の選択肢が増えました。
〈生体内吸収プレートを用いた骨折治療〉
   基礎研究を集積した後、2008年から臨床応用が可能になりました。2016年1月現在、当科では、上肢の91例99骨折に対して生体内吸収性プレートを用いた骨接合術を行い、良好な治療成績を得ています。基礎研究のデータ、手術手技及び治療成績を国内外の論文に発表し、注目を集めています。
 
 
 

 
 
 現在、全国的に外傷センターの設立が相次いでおります。欧米に比べてこの分野では後塵を拝していた日本の外傷医療が徐々に改革されている風を感じます。しかしながら、preventable trauma death(防ぎ得た外傷死)の根絶を目指し活動を始めた10数年前に比べれば、現在、その方面での貢献は確実に多大なものである一方で、preventable trauma disability(防ぎ得た外傷機能障害)に関しては、いまだ十分に改善されているとは言い難い状況であると言えます。そのような状況の中、当大学では、平成24年4月より、それまで救急・集中治療部で行っていた整形外傷治療を整形外科の一つの診療班として新しく再編しスタート致しました。外傷部門を独立した診療班として活動している大学は、まだ全国的に多いとは言えない状況ですが、整形外傷が整形外科の中の一つの重要なsubspecialityとなるためにpreventable trauma disabilityを回避するために日常診療を含めて日々努力しているところです。
 2016年4月より、整形外科外傷班と救急部の整形外科チームを統合する組織として、四肢外傷センターが設立されました。
 
■手術症例
 2015年の整形外科手術総数が1185例で年々増加してきておりますが、手外科・外傷班では合わせて736例の手術を行いました。2011年474例、2012年551例、2013年618例、2014年746例ですから、右肩上がりの手術症例数です。また2015年度より、整形外科から救急部への医師派遣が3〜4名(ローテーションにより変動あり)となり、外傷初期診療から手術、リハビリテーションまでを一貫して独自に行える体制が整備されつつあります。また、外傷班と手外科班は密に連携し合いながら診療を行っており、手外科班の協力のもと、外傷のみならず手の疾患の手術にも積極的に取り組んでいます。中でも、生体内吸収性材料を用いた骨接合に関しては、臨床面、基礎研究面において世界をリードしていく存在となるために、今後ますますの研鑽を積んで参りたいと思っております。また、局所陰圧閉鎖療法(NPWT)を用いた創傷治療や軟部組織欠損に対する皮弁形成術など骨のみならず軟部組織再建にも積極的に取り組んでいます。さらに、当大学は、労働災害を予防する観点からの活動も行なっており、労災事故による外傷症例を積極的に受け入れております。中でも指尖部切断症例数は多く、再接着、皮弁形成術など適応を吟味しながら、専門性の高い治療を提供しております。今後は、四肢外傷センターとして症例の集約化、初期治療から機能再建までを担える組織として活動の幅を広げていきます。
 
2015年 手外科・外傷・救急部手術実績(月別) 手外科・外傷・救急部手術症例数年次推移
 
  ■短期病院研修
 外傷班をローテート中の修練医の先生やその他希望される先生には、積極的に国内外の主要な施設へ手術を含めた病院見学に行って頂いており、現在までに国内外17施設のべ30人以上が研修先を訪れております(過去の実績一覧表)。研修に訪れた先生には、研修先で自己紹介や大学紹介をプレゼンしてもらい、また帰学後に印象に残ったことなどをまとめて報告して頂き、みんなで情報の共有を行っています。このような研修はプレゼン力を上げるうえでもとても良い経験となっております。今後もこのような他病院での研修(武者修行)は継続して行っていく予定です。
   
  ■外傷整形外科教育
 整形外傷分野が整形外科の一つのsubspecialityとして広く認知されていくためには、臨床面に加えて学術面、教育に関しても力を入れていかねばなりません。当大学では、平成23年9月より年2回(夏・冬)産業医科大学で骨接合セミナーを開催しています(※現在までに計10回開催)。回ごとにベーシックコース、アドバンスコースと分けて、同門の先生方をはじめ、他大学の先生方も講師としてお招きして、貴重な講義やハンズオン実習を行っております。また、日本骨折治療学会を中心として国内外の学会や研修会への発表・参加を奨励しております。着実に発表演題数も増えてきておりますが、今後ますます質・量ともに充実させていく方針であります。また、豚足や豚皮を用いた屈筋腱縫合、真皮縫合の実技練習や、カタバーを用いたサージカルトレーニング(※現在までに計5回開催)ギプス巻き実習等多くの実技セミナーを開催し、座学のみならず、手技教育にも精力的に励んでおります。
 
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  脊椎脊髄外科とは脊椎(頚椎-胸椎-腰椎-仙椎)と、その中(脊柱管)に走る脊髄神経(腰椎では馬尾神経)の病気や怪我の診断・治療を専門に行っている分野です。
脊椎は体を重力から支え、バランスを保つ役目があります。また、脊柱管内の神経を保護する非常に大切な役割もあります。更に、ひとつひとつの脊椎は、椎間板(クッション)、靱帯、関節で連結されており、それらが正常に機能することで、体幹をスムーズに動かすことが出来るようになります。したがって脊椎や脊髄の病気・怪我では、損傷部位の痛みが生じるだけでなく、体幹の変形をきたし、神経の障害が生じれば、手足の麻痺が生じ、更には排尿や排便の機能も損なわれてくることもあります。これらの治療に当たっては、正確な診断と精度の高い治療技術が必要とされます。
  当科では、椎間板ヘルニア(頚椎-胸椎-腰椎)、頚椎症性脊髄症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症、腰椎分離症など日常診療でよく見かける病気のほか、大学病院の特徴として、側弯症などの脊柱変形や脊柱靱帯骨化症、脊椎・脊髄腫瘍、関節リウマチや血液透析に伴う脊椎疾患なども数多く治療しています。また、高齢者や重い合併症を有する患者様に対しても、他科と連携を取りながら安全に手術を行うことができるようになっています。
 2009年春から導入したコンピューターナビゲーションシステムでは、術前または術中に、より詳細な治療計画を立てることができ、且つその計画に忠実な操作が行えることで、手術治療の精度を格段に向上させることが出来ています。これまで以上に難易度の高い手術も、安全に且つ確実に行えるようになっています。
 腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などに対しては、侵襲の少ない内視鏡視下および顕微鏡視下手術も取り入れ良好な成績を獲得しています。これらの低侵襲手術では、手術の傷跡が従来の手術の半分以下であるばかりでなく、術後の痛みもこれまで以上に感じることがなく早期の社会復帰が可能で、患者様にも高い満足度を得ています。
  脊椎脊髄外科チームでは、週一回近隣の病院勤務医、診療所医師並びに当院リハビリ科のPT, OTと合同でカンファランスを行っており、より正確で客観的な術前診断を行い、すべての患者様に対しあらゆる方向から最前の治療方法を思案し全力で治療に当たっています。



術中ナビゲーションシステムを用いた手術
 
 
 
 

下肢・人工関節班
 
   人工関節グループでは、若手の先生で希望者には、日本整形外科学会、日本股関節学会および日本人工関節学会で積極的に筆頭演者として発表していただいております。さらに英語での発表を希望する先生には、世界整形外科合同会議や、欧州リウマチ学会およびアメリカ整形外科基礎学会で筆頭演者として発表してもらっております。毎年9月に「人工関節を考える会」を開催し、また、昨年度は厚生労働省委託事業として「実践的な手術手技向上研修」において実際に献体を利用し人工関節を挿入する手術手技の研修を行い、若手医師の教育にも力を注いでいます。
 
 

人工関節置換術 Arthroplasy
 
 昨今、高齢化社会を迎え、人工関節置換術を必要とする患者様が増加しております。本邦において、人工膝関節置換術は年間8万件以上、人工股関節置換術は5万件以上の手術が行われており、これは10年前の2倍と手術件数は増加し続けています。どの施設でも可能な手術となってきましたが、患者様の満足度が十分といえる程の手術を誰もができるという訳ではありません。よって手術機器の進歩および手術手技の向上は必要であり、まだまだ解決すべき問題は多く存在します。
 人工関節が必要な患者様には、高齢の方や、膠原病、糖尿病、心臓疾患など内科的疾患をもつ方も多いため、大学病院としての特色を生かし、術前から当院他科専門医と密に連携をとり、「安全に」人工関節の手術を行っています。また、感染や静脈血栓塞栓症などの術後合併症についても、最大限の合併症対策を行っています。
 当院での入院期間は術後平均約2週間で、出来るだけ早期の社会復帰を行って頂くように工夫しています。ただし、年齢や術前の歩行能力によってはリハビリの期間および強度が異なるため、必要があれば、ご自宅近くでの病院にて入院リハビリを継続していただき、当科と密に連携をとって治療を継続していただいております。
当科における人工関節手術数推移
 
1)人工股関節全置換術(THA)
   現在では殆どの症例でセメントレス固定のインプラントを使用し、早期荷重を行っています。当科で現在使用している人工股関節は、術後15〜20年でほとんどゆるみを生じずに経過しています。
 人工股関節置換術の際、術中および術後に400〜600 mlの出血があります。当科では術前自己血採血(400ml)を行い、術後貧血に対応しています。また、当科では再置換の必要な症例も積極的に受け入れています。インプラントのゆるみや、感染など様々な原因で、人工骨頭置換術や人工股関節置換術後に再置換が必要になることがあります。特に人工関節周囲の骨欠損が著しい症例は、骨移植を要し、一般病院では対応困難なことが多いため、当院では凍結保存した同種骨を利用して再置換術を行っています。
2)人工膝関節全置換術(TKA)
   人工膝関節手術は多くの施設で行われていますが、設置の正確さと術前膝関節不安定性の解消が術後の長期成績に大きく影響します。単なる骨を切って器械を挿入する手術ではなく、膝の動きを十分に理解し、正常な膝の動態を獲得する必要があります。当院では、現在CT 画像データを用いた術前シミュレーションを行い(写真)、正確なコンポーネントの設置にこだわると共に術中バランサーを用い、軟部組織バランスの調整を行っています。以上の方法によるデータを集積し、解析することにより患者様の長期成績の向上を常に図っています。
関節
 
 

 
 
 私たちは若松区周辺にお住まいの皆様の筋骨格系の怪我や疾患に対して、誠心誠意診療いたします。患者さんの立場にたって治療を一緒に考える。そのことが患者さんと我々医療従事者との信頼関係が成立し、治療がうまくいくと思っています。
 またスタッフは常に『優秀な医療人を集めて育てて、最高の医療を行う』事を考えています。医療は建物や器械ではなく、結局は『人』です。私たちは、患者さん個々人に合わせてより良い治療を提供するために日々研鑚していきます。
 産業医科大学若松病院は、西日本でも最も関節鏡視下手術症例数の多い施設の一つです。最高の内視鏡手術テクニックで最小侵襲の治療を行います。なかでも最先端治療として股関節鏡視下手術は日本で最も多い症例数と治療実績があります。また患者さんの治療から得られた新しい知見を国内外に発表し、海外の学会からもその功績を認められています。
 Jリーグ(大分トリニータ、ギラヴァンツ北九州)やラグビートップリーグ、)バスケットボールBJリーグなどのプロスポーツチームから社会人野球や大学、高校生のチームに、チームドクターを派遣しており,スポーツ現場でトレーナーと連携をとりながら、安心してスポーツを楽しめる環境づくりをしています。


 ISAKOS (international society of arthroscopy, knee, orthopaedic sports medicine)のTeaching centerとして承認されており、国内や海外の世界各国からのフェローを受け入れています。
 
診療内容
  関節鏡手術テクニックで最小侵襲による治療
以下の関節疾患外傷に対して治療
  ◎肩関節  ◎肘関節  ◎股関節  ◎膝関節  ◎足関節  ◎足
  1)外傷 各部位の骨折 脱臼 観血的手術
  ※その他 高齢者の骨粗鬆症、変形性疾患の保存療法にもテーラーメードの治療
  2)関節の急性感染症
 
  〈スポーツ関節鏡グループ手術件数 2015年1月〜12月〉
 
 knee 膝関節
337
 hip 股関節
124
 shoulder 肩関節
90
 ankle 足関節
48
 elbow 肘関節
38
 other その他
105
  total
742